ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。
不登校の背景には、環境の変化や性格的な傾向が影響することが多く、親御さんの対応次第で状況が好転することもあれば、逆に長期化してしまうこともあります。
今回は、不登校期間中に親御さんがお子さんのために「よかれ」と思ってしてきた対応が裏目に出て、長期化してしまい、家庭内対応での復学は難しいと判断され、PLSの「復学支援」である不登校サポートコースを受講された事例について紹介します。
完璧主義の性格が招いた不登校のきっかけ
今回ご紹介するのは、中学1年生の男の子です。
3ヶ月間の不登校期間がありました。
こちらのお子さんは、小学生の頃から真面目な性格で、「不登校になるまでは全然手を焼いたことがない」と親御さんは話されていました。
完璧主義な傾向も強く、「失敗したくない」「ダメな自分は見せたくない」ことから小学生時代は皆勤賞、宿題も一度も忘れたことがなく、友達付き合いも問題ないというお子さんでした。
しかし、4月から気を張りつめていた糸が夏休みに入りプツンと切れてしまいました。
夏休み課題に全然手をつけないことから、親御さんも「おかしいな」「珍しいな」とは思っていたそうですが、この時はまさか不登校になるなんて思ってもみなかったそうです。
サッカー部に入っていて、部活は、お盆休み以外は参加できていたそうです。
ところが、夏休み明けの始業式、何事もなく登校したかと思えば帰ってきてから「明日から学校に行きたくない」とお母さんに泣きながら話してきました。
最初はご両親も動揺して、一日、二日休めばまた毎日登校できるだろうと欠席を認められました。
しかし、休んでもその後、登校する素振りはなく、このままではマズイと思い、厳しい言葉で登校を促したこともあったようです。
その言葉がさらにお子さんを追い込んでしまい、夕飯の時間以外は部屋から出てこなくなりました。
最初の家庭内対応と「復学支援」が必要だと感じた瞬間
この状況に危機感を覚えたご両親は、以下の対応に入ったそうです。
・好きなことを自由にさせる
・部屋から出てきてもらうために頭を下げてお願いをする
・好物を作り、食事を楽しめる雰囲気に
・学校の話題には触れずに見守る
・「リビングで使う」を条件に欲しいゲームを買い与える
この対応により、お子さんは部屋から出てくることは出来るようになりました。
親子間での会話も少しずつ増えてきたそうです。
しかし、この対応により親子間での上下関係が出来てしまい、圧倒的な子ども上位の生活が始まりました。
結果的には不登校からは抜け出せず、登校は出来ないまま、家の中で好き勝手する状況になってしまったのです。
それでも親御さんは「いずれ行けるようになる」と信じて、この状況を続けていきました。
待てばいつか登校できるようになると信じていた親御さんでしたが、2ヶ月が経過し、冬休みが近づいたころに、将来の不安を抱き始めます。
「このままでは中学生のうちは外に出られなくなってしまう」
「これ以上不登校を長引かせるのはこの子にとっても、家族にとっても良くない」
ご両親揃って「冬休みに入るまでには、なんとか復学させたい」と統一された気持ちで、ネットやSNSの声を参考に色々な不登校支援や復学支援を探し、様々な支援機関に相談されて、PLSでの受講を決められました。
復学支援を開始してから復学までの様子
「不登校サポートコース」では、まずは家庭内の状況を詳細にヒアリングし、不登校になった原因や親子関係を分析していきます。
その結果、以下の点が明らかになりました。
・「完璧主義」の傾向が強く、自分の気持ちを優先するよりも「成功」を優先してしまいストレスを溜めやすい
・お子さんに登校してほしい気持ちが強すぎたあまり、親の立場が下がり、結果的にお子さんの登校意欲を上げるよりも自分の好きに生活したい欲が強く出てしまった
・「完璧主義」だからこそ不登校の自分を認められず、今更登校出来ないと諦めている傾向もある
これらの分析を踏まえ、訪問カウンセラーが家庭に直接介入し、復学のためのサポートを開始しました。
こちらのご家庭では、初回訪問で「登校刺激」を実施。
これはお子さんが学校に戻る大切なきっかけとなる重要なステップであり、親御さんやカウンセラーにとっても覚悟が試されます。
登校刺激では以下の3点を主なポイントとして行います。
①第三者として現実的なアドバイスを伝える
② 登校への不安を少しずつ解消していく
③無理なく学校に戻れる段階的なプランを作成
お子さんは、カウンセラーとは初対面で緊張していましたが、
「戻れるなら学校に戻りたいこと」
「家の中での好き勝手は良くないことだと分かっていること」
「一日休めば行きづらくなるのも分かってたのに休んでしまったことを後悔していること」
なども話してくれました。
完璧主義だからこそ、簡単な準備ではなくお子さん自身が求める徹底した復学準備が必要になります。一つ一つの準備をお子さんの気持ちに沿ってカウンセラーから提案して、復学日も冬休みに入る前に戻れたら冬休み中の過ごし方が楽になるという考え方もアドバイスしました。
その結果、お子さんは少しずつ登校に向けた準備を始め、最終的には予定していた復学日に学校に復帰することができました。
復学後の変化と「折り合いをつける力」
復学後のお子さんは、以前のように「無理をして登校する」「自分の気持ちを押し殺す」のではなく、自分の心と折り合いをつけながら学校生活を送ることができるようになりました。
・ 「まぁ、真剣にやりすぎるのもよくないか」と考えられるように
・ 努力はするが、無理をしすぎずにペースを調整できるように
この2点は復学準備中にカウンセラーからアドバイスした言葉で、今も意識して日々過ごしているそうです。
冬休み前に復学して、今は新学期に入りましたが、まだ一度も欠席することなく登校し続けることができています。
「一度休めば行きづらくなる」と自分で理解して、不登校を後悔しているからこその継続登校です。
まだまだ訪問カウンセラーのサポートは必要なステージですが、少しずつ訪問カウンセリングの頻度も減らして、お子さん自身の力と家庭内で自立心を育めるようにしていきます。
【復学支援の事例】完璧主義だからこそ起こる不登校「まとめ」
不登校は、決して本人の「怠け」や「甘え」だけではなく、お子さんの性格や環境の変化が大きく影響しています。
・性格の傾向を理解し、それに合わせた対応をする
・学校に戻ることだけをゴールにせず、子どもが無理なく生活できる道を探る
・親だけで解決しようとせず、専門家のサポートを受ける
このようにお子さんが「学校に行きたくない」と言い出したとき、適切な対応をすることで、無理なく復学につなげることが可能です。
お子さんが自分らしく学校生活を送れるよう、二人三脚でサポートしていきます。
「家庭だけでは難しい」
「これ以上不登校機関を長引かせたくない」
「今学期中に復学してほしい」
とお考えの方は、ぜひPLSにご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回のブログでお会いしましょう。
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