ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。
今回は不登校の復学事例ではなく、五月雨登校・別室登校からの復学についてのご報告になります!
関東にお住まいの小学6年生の女の子、Aさんの事例です。
今、小学6年生ですが、登校が不安定な状態は4年生から始まっていました。
行き渋りが酷く、登校できたとしても、別室登校、保健室登校という状態が約2年間続いていたのです。
この状況を変えるために、親御さんと数日間登校状況の確認や家庭内での様子を共有し、分析を進めて登校刺激を行うこととなりました。
まだ小学生なのですが、不登校の状態ではないため、PLSが主流としている訪問カウンセラーが最初に入るのではなく、登校刺激からスタートの事例です。
https://oyanomanabiya-pls.com/2023/07/28/chuugaku3nenseihukugaku-zenpen/
登校刺激当日の様子
今回は夜遅い時間から、登校刺激を開始。
家に入ると、Aさんは真っ暗な部屋の中で、タブレットを使い動画を観ていました。
今の状況はAさん自身も良くないと分かっていたのですが、学校に毎日行きたいとは思えない理由もそれなりにありました。
日頃の分析や直接会って話してみて、受け答えを見て「本当は真面目で素直な子なんだな」と感じました。
一般的には、コーチングはお子さんにとっては厳しい対応になります。
しかし、今回のケースでは寄り添い気味で、どちらかと言えば“訪問カウンセラー”のような役割に移りました。
話してくる内容には共感しつつ、でもコーチングの立場では
・それを理由に逃げてしまうと、今は分からないかもしれないけれど「あの時頑張ったら良かった」と後悔すること。
・Aさん自身が悪いことをしていないのに欠席して成績に響くのはとても勿体無いこと。
・友達との距離を感じ始めているのであれば、尚更今は休むわけにはいかないこと。
このような話をしました。
私が話したことには全て納得してくれましたが、中々勇気が出ないというのも事実でした。
頼れる人はお母さんしかいなくて、話し相手も欲しいという本心。
背中を押してくれる存在が、Aさんには必要だと感じました。
「今日この日をきっかけに、明日の朝来るから一緒に頑張ろうね。今日だけでなくこれからも頼りたい時は頼っておいで」と伝えると、「はい。頑張ります。」と答えてくれました。
ただ、お子さんに一番近い存在なのは、コーチングをする私ではなく訪問カウンセラーです。
(※ご家庭の状況、お子さんの性格傾向によりコーチングと訪問カウンセリングをする先生は変わります。今回のケースでは私がコーチングをしましたが、訪問カウンセラーとして伺うこともあります。)
このタイミングでAさんにとって一番の味方になってくれる訪問カウンセラーを導入しました。
登校刺激というのは、時間が長く数時間ほどかかることが多いです。
しかし、Aさんの目を見て、声を聞いて、しっかり言葉が心に響いたと判断して、「明日から一緒に頑張ろう。明日だけじゃなく来週の月曜日からも頑張ろう」と伝えて、今回は短時間で家を出ました。
登校刺激を終え、その後のAさんの様子がお母さんから送られてきました。
お母さんが「どうだった?」と聞くとで「私のことをちゃんと見て話をきいてくれるんだよ。優しかった。」と話していたそうです。
お母さんはそれに対して「本当に驚きましたが安心しました」と。
登校刺激前は、少し荒れ気味だったAさん。
感情的になってしまう部分もあり、特に欠席した日や休みたい日の朝は人が変わっていたと聞いていました。
登校刺激後、荒れてしまう可能性も視野に入れていましたが、表情も柔らかく、穏やかになり、トゲトゲしていた言葉もなくなったそうです。
復学日当日の様子
翌日の朝、カウンセラーが家に入るとAさんは既に登校準備をしていました。
ここ数ヶ月は不安定な登校状況が続き、朝お母さんが何度起こしても起きない、泣いて暴れる、不機嫌になる、行くとしても車の送迎で登校班では行かない状態でした。
それがこの日の朝は、お母さんの声かけ1回目で起きて、自分で着替えて朝食も済ませたそうです。
機嫌も悪くなることなく、穏やかな朝を迎えられたとお母さんも喜ばれていました。
私から「今日だけ頑張れば良いわけじゃないからね。来週も再来週もこれから頑張っていかないといけない。でも1人じゃないから、辛くなったらその時にどう乗り越えるか一緒に考えよう」と伝えました。
Aさんは、良い表情で返事をしてくれて時間通りに出発。
そして、登校班で学校まで向かうことが出来ました。
登校刺激をした日、Aさんは寝る前にお母さんにこんな話をしていたそうです。
「あの先生が担任だったら、絶対毎日学校に行くし、絶対楽しい!初めて話す時の不安やソワソワした感じが全然なかった」と。
子どもにどのように成長してほしいか。
厳しい言葉だとしても、その言葉を伝えることで子どもがどのように前向きに変化するか。
そしてどれだけ心の声を引き出せるか。
どれだけ心の扉を開けていけるか。
支援者として、いつも考えていることです。
2年間の五月雨登校・別室登校から安定した登校へ「まとめ」
コーチングはお子さんにとっては厳しい立場です。
それでも結果的に「あの人とあの時に出会えてよかった」と思ってもらえたら、今はマイナスであっても、お子さんの人生にとってはプラスになるのです。
日頃、訪問カウンセラーとして各ご家庭に伺うことが多いのですが、今回のケースのようにコーチングに行くこともあります。
これからもPLSの復学支援では、カウンセラーが直接ご家庭に訪問して、多くのご家庭に新たな風が吹かせていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のブログでお会いしましょう。
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