ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。
2023年の春を迎え、登校刺激や復学日が、例年に比べると倍以上の件数があり、充実した毎日を過ごしています。
ブログも毎日更新したいのですが、なかなか出来ずお待たせしておりました。
今回は「不登校からの復学」ではなく「母子登校からの復学」を果たしたご家庭の事例について書きます。
ご覧ください。
今回、復学ができたお子さんはどのような状態だったのか?
このストーリーの主人公は以下の通りです。
性別:女の子
学年:2023年4月から小学4年生
状況:小学3年生のGW明けから母子登校
支援:子育てサポートコース
結果からお伝えすると、10ヶ月間、週2~3度の欠席があり、母子登校をしていた今年4年生になった女の子が、ご両親の対応のみで家庭内復学を果たしました!
支援開始から間も無く、家庭とお子さんの状況を分析していきました。
上に挙げた、大きく分けて2つの問題がでてきたのです。
支援を開始したころのお子さんの様子やご家庭の状況は?
支援を受け始めた時のお子さんの様子は、
・トイレや洗濯に行く時にも「ママ行かないで!」とついてくる。
→10秒離れるだけで目に涙を浮かべるか、泣いてしまうかという状態。
・「ママ遊ぼう!」と1人では遊ばずに何をするにしてもお母さんを誘う。
・「ママこれはどうしたらいいと思う?」と自分で物事を決めること、考えることをしない。
→遊び内容や、行動一つ一つお母さんに確認。
・「ママ、あれとって。これとって」が習慣化に。
・時間関係なく「ママ、○○食べたいから作って」と自己都合で食べたいものや食事の時間を決める。
このような感じでした。
しかし、最初からここまで“母子依存”が強かったわけではありません。
母子登校になり、お母さんがいないと学校に行けないと泣きわめき、家の中でも不安定なお子さん。
どうしても、お母さんは“甘やかしてあげないと”という考え方になってしまいました。
このように、年相応の育て方ではない対応を数ヶ月してこられました。
その結果、お子さんの様子が変わっていったのです。
本来、小学3年生であれば、「これは自分で出来るだろう」と「自分で考えれば分かることだろう」ということ。
これをお子さんは、全てお母さんを頼り、それに対してお母さんも良かれと思って受容する対応となっていました。
たまに、お母さんもあまりのワガママにイラっと頭にきて注意されていたようです。
これに対して、「私こうなったのはママのせい!それなのに怒るなんてひどい!嫌い!どっかいって!!」とお母さんのせいにされ、ひどい癇癪も起こってしまう日常に…。
“母子依存”が強いケースでは、子ども自身が都合が悪くなるとお母さんのせいにするというのはよくあります。
お母さんの立場が低いまま、お子さんが上位な状態が続くと、家庭内では“子どもが王様・女王様”のようになります。
いつしかお子さん自身もそれが当たり前だと認識してしまうのです。
親が受け止めないと、癇癪を起こしたり暴れたり、暴言を吐いたり。
それを治すために「もっと愛情を注ぎましょう」という育て方をそのまま実行すると、かえって状態が悪化し、さらにワガママになってしまったというご家庭も数えきれないほど見てきました。
今回の事例であるご家庭もそのケースに当てはまります。
登校に向けてまずは家庭内での生活について支援を開始しました!
このような状況から支援を開始しました。
ご家庭の問題としては、
が大部分でした。
お子さん自身の問題としては、
という点が挙げられました。
まずは「子ども上位」な状態を解決です。
お子さんはすでに自分の親を「自分にとって都合のいい人」という勘違いをしています。
①「あれとって、これとって」「あれして、これして」などの要求を飲まない。
②お母さんの都合を優先する。
③自分で出来ること、考えられることは自分でさせる。
最初にとった対応は、上に書いた3つのこと。
お母さんになるべく1日の中で1回でも多く実行してもらうようにしました。
もちろん最初は「してもらって当たり前」とお子さんは思っているので、断られると予想外の親の反応に反発気味でした。
しかしそれは想定通りであり、ここを乗り越えないと次には進めません。
覚悟を持って、お母さんにも継続してこの対応にチャレンジしていただきました。
すると、だんだん、お子さんからの反発も減りはじめたのです。
このように、出来ることが一つずつ増えていきました。
「ママは自分の都合良いように動かない」とお子さんの意識を変えたことにより、「子ども上位」の状態は解消されたのです。
こちらの家庭は、お父さんも「この子が生まれてから一度も叱ったことがないです」というくらい優しい方でした。
なので、お子さんからは見下されていて、叱られることを恐れずに家の中で好き放題という状況に。
支援を開始してお母さんだけではなく同時に、お父さんの立場も上げていきました。
ある程度立場が出来てからは、父としての対応をお伝えしていきます。
癇癪を起こしたり、お母さんを困らせた時にはお父さんにビシッと叱っていただいたり、具体的にアドバイスをしました。
家庭内が整ったら、いよいよ登校に向けての支援を開始!
家庭の中で、親子関係の改善が整ったところで、いよいよ登校に向けてです。
ご相談をいただいた当時は、お母さんと教室まで一緒に登校している状況。
母子登校をすることのデメリットや、親の素直な気持ち、そしてお子さん自身の本心を家族会議を行いしっかり話し合いをしてもらいました。
家族会議は、親の立場がないと、お子さんから断られ、その話が流れて終わることが多いです。
しかし、家庭内が整っていたので、しっかりと開くことが出来ました。
この話し合いのもと、復学日は、始業式で決定!
お子さんから出てきた悩みをご両親が対応できるものは担当カウンセラーと連携を取って、お子さんが安心できる言葉掛けをして家庭内だけで準備を整えていきました。
そして学校とも連携を取りました。
言葉だけでなく、物理的に1つずつの不安への対策として必要な配慮をしていく。
こうして、お子さんに、「心配しなくても大丈夫だよ」という安心感を持ってもらいました。
それだけで復学するのは難しいものです。
お母さんが教室まで同行するのを教室→下駄箱→正門→学校近くの交差点→家近くのポスト→家の前→玄関
このように、徐々にお母さんが付き添う距離を離していきました。
それと同時に、五月雨登校でもあったので、1週間に登校できる回数を増やすようにもしていったのです。
最後の終業式は、復学日である始業式の練習にしました。
朝からお友達に来てもらい、お母さんは玄関で別れて、無事始業式に参加することに成功!
そして春休み中には、お子さんにしっかり休んでもらいつつ、メンタルを整える言葉がけや対応をしてもらいました。
そしてモチベーションを上げることにより、始業式当日は晴れて1人で登校することが出来たのです。
まだ復学して1ヶ月も経っていないご家庭で、まだまだ不安なことも多いですし、お子さんの登校もどこまで続くのか、毎朝お母さんからは心配のメールが来ています。
こちらのご家庭は、「子育てサポートコース」の受講なので、訪問カウンセラーは、入っていません。
それでも、お子さんは、始業式から今日まで1日も欠席することなく登校できている。
この頑張りを、まずはしっかりと認めてほしいということをよく親御さんに伝えています。
そして「家庭内のチカラだけで復学を果たせた」、ご両親がされてきた子育てに、誇りと自信を持っていただきたいです。
【実例】2023年4月、母子登校から復学した女の子のストーリー!「まとめ」
今回紹介した事例の、支援開始じきは、2023年の1月です。
3ヶ月間、ご家庭での対応を変えるだけで、これだけの変化がみられました。
母子登校は「母子依存を克服する」ことで解決するケースが多いです。
その克服方法は、お子さんの性格や家庭の背景により異なります。
家庭により解決期間は様々です。
親御さんの「解決したい!」という気持ちがある限り、PLSではその覚悟を決して無駄にせず一緒に解決していきます。
長くなりましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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