ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。
復学支援機関の中でも、高校生のサポートをしている機関は限られています。
今回は、高校生の不登校からの復学事例をご紹介します。
不登校の背景と支援開始時の状況

彼は、私立高校に通う高校2年生でした。
・夏休み課題が終わらず、提出できないことが怖くて登校できなかった
・中学時代にも同様の経験があり、担任の先生が何度も家庭訪問してくれて復学した過去がある
・親御さん曰く「嫌なことから逃げようとする傾向」が昔から強かった
このような経緯があり、夏休み明けに課題を提出できないことへの不安が原因で高校でも不登校となり、復学が困難な状況に陥っていました。
長期間の欠席によるストレスに加え、「このままだと留年するかもしれない」という不安が募り、登校したくても出来ない葛藤からくるイライラから家庭内で問題行動が目立つようにもなっていました。
・親への暴言
・壁やドアを殴る
・物を投げる
・ゲーム中に発狂する
この状況を見かねた親御さんからご相談がありました。
初回の電話相談時点で、親御さんは涙ながらに「限界を感じています。一日でも早くカウンセラーさんに家に来てほしいです。復学支援をお願いしたいです。あの子が学校に行かないと家族が壊れてしまいます」と要望がありました。
その時のお母さんの声は今でも私の脳裏に焼きついています。
高校生の復学支援では、進級に影響を出さないために早急な対応が求められます。
彼の場合、1月中旬までに復学できなければ、欠席日数の問題上、留年が確定する状況でした。
冬休み中に支援を開始し、1週間後には訪問カウンセリングに入りました。

登校刺激当日の対応

訪問の初日。
まずは本人にとっては厳しい話をする役目のコーチングからです。
カウンセラーが訪問した際、彼は「誰だ!出ていけ!」と攻撃的な態度を取りました。
しかし、私たちは「帰れ」と言われても簡単には帰りません。
その理由は、事前に親御さんから聞いていた「行きたいのに行けない」という彼の本心を引き出し、行動に移すきっかけを作ることが私たちの役目だからです。
親御さんから彼に状況を説明してもらうと、彼は徐々に落ち着きを取り戻し、「すみません…」と謝罪の言葉を口にしました。
夏休み明けに学校を欠席した理由として、
・課題が終わっていなかったから行きづらかった
・課題をしていなくても登校するという選択肢がなかった
・叱られるのが分かっていたから怖かった
ここまでは事前に親御さんから聞いていた通りです。
親御さんから事前に聞いていた理由に加え、彼自身が次のような不安を抱えていました。
・これだけ欠席を重ねてしまいどういう顔をして学校に行けばいいのかがわからない
・休み始めは連絡取っていた友達からも連絡が無くなって見放されたと思うと怖い
・今更登校するのが恥ずかしい
・勉強についていけない
また、彼はこんな言葉も口にしました。
「学校には本当に行きたいんです。留年もしたくないし、3年間で卒業もしたい。今更、他の学校に行ってもうまくやっていける自信もないです」と。
私たちは彼の気持ちに寄り添った上で「君の悩みを一緒に解決してくれて、助けてくれる人がいる。その人たちを呼んでみようと思うけどどうだろう」と提案すると「勉強も手伝ってもらえるならお願いしたいです」と前向きに受け入れてくれました。

訪問カウンセラーとの復学準備

彼の本音が聞けたので、ここからは、彼に取っては優しく寄り添ってくれる訪問カウンセラーが対応していきます。
これからの復学に向けてのプランを訪問カウンセラーと組み立てていきました。
何が不安か、どういうことをクリアすれば登校のハードルが下がるか、徹底した復学準備内容を一緒に決めていきます。
復学日については、留年までの期限があるのでなるべく早い日程にしました。
そのプランが完成すると、彼は「これなら学校に行けそう」と感じたようでした。
また、家庭内で目立っていた問題行動についても親子で向き合って話す時間を設けました。
「学校のことで心配させてごめん。勝手にイライラしただけなのに当たってごめん。もうお父さんとお母さんにも、物にも当たらん。ごめん。」と親御さんに対して涙ながらに謝罪。
そして謝った後は「お兄さんたちと準備ができたら学校に戻るし留年もしないような頑張るから応援してほしい」と復学の宣言していました。
登校刺激の翌日からは、早速復学準備です。
その日以降も必要に応じたサポートや本人の強い要望である勉強面のフォローをしていきました。
また、私が直接高校へご挨拶へ伺う日も作りました。
校長先生、学年主任、担任の先生とお話しすることになり、彼の状況や登校の意思表明をすると「待っています。出来ることは協力します」と言っていただきました。
復学準備を通して、彼と訪問カウンセラーの関係性は少しずつ構築されていきました。
復学や勉強のサポートだけでなく、息抜きの時間として一緒にゲームをすることも。
連絡を取れていなかった友達とも準備期間中に、カウンセラーが隣につくことにより、勇気を出してLINEを送ることができました。
友達からはその日に返信があり、避けられたり嫌われたわけではなかったと安心していました。
カウンセラーが来ない日は、親御さんに「お兄さん次いつ来るん?」と待ってくれるほど良好になりました。

復学日当日

いよいよ復学日を迎えた朝、彼は、緊張は見られるもののたくましい顔つきをしていました。
数週間前、カウンセラーに見せた攻撃的な表情比べると、まるで別人のようでした。
準備を終えて、出発時間になると玄関で「いってきます」と言って、訪問カウンセラーと一緒に出発。
友達と一緒に行く約束も出来ていたので、予定通り友達と待ち合わせて、笑顔で会話しながら登校していきました。
彼が復学してから1ヶ月以上経ちますが、本人が心配している勉強面の不安を少しでもなくすために訪問カウンセラーが定期的に伺い、勉強のサポートや登校の意識付けをしています。
結果的に復学日から一度も休むことなく、継続登校を続けています。

まとめ【高校生の不登校に悩む親御さんへ】

「高校生の復学支援をしてくれる機関が見つからない…」
「高校生の不登校が解決できるかわからない」
と悩まれている親御さんは多いです。
初めてPLSに相談をされる際に、高校生の不登校にお悩みの親御さんは「高校生のサポートまでしてもらえるところが探しても全然無くて…」と話されます。
特にこの時期は進級のこともあり不安な毎日を過ごされていることでしょう。
私たちPLSの復学支援が必ずしも皆様に合うとは限りませんが、まずはお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回のブログでお会いしましょう。



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