ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。
先日、中学1年生の男の子が約10月ぶりに不登校から復学を果たすことができました!
こちらのお子さんは、小学生の頃は母子登校状態で、中学校に入ってから1人で行くことが出来ず、入学式だけ登校し、そのまま不登校になってしまったケースです。
「母子依存」が大きく影響していたことが分かったケースでもありました。
今回は、この復学の事例について書いていきます。
支援開始から登校刺激に入るまで
支援開始は昨年12月。
早速分析を始めました。
家庭の対応で復学できるか、訪問カウンセラーの介入が必要かを見定めるための分析です。
親御さんは「できることなら家庭内の対応で復学したい」と言う気持ちを持っておられました。
そのためのアドバイスはしていきましたが、支援前に一度こじれてしまった親子関係や、お子さん自身の登校意識の薄さ、子ども上位の親子関係、父性の低下などから家庭での復学は難しい状況。
親御さんからも「もう自分たちだけで対応するのは限界です」と話を受けて、訪問カウンセリングに入ることになりました。
登校刺激で見えたお子さんの状況
年明けの1月に登校刺激を行いました。
このお子さんは、中学生にしては幼い傾向であるということが、事前の分析で分かっていました。
さらに、「母子依存」がとても強く何をするにしても自分で何か行動に移す前に「ママ!」と呼ぶことが癖になっている状況。
本心に迫る対応で、
「これからの人生どうしていきたいのか。」
「学校は行くのか行かないのか。」
「行きたいけど行けないのか。」
これらのことを確認しました。
その際にも「まずママとも相談していいですか?」と答えてしまうほど基準が「ママ」になっていたのです。
中学生という年齢でこの母子依存は、今のうちに分離しないと将来大変なことになることが分かりました。
「母子依存」の傾向が強いお子さんへの支援の様子
「母子依存」の傾向が強いお子さんが自立できるように支援を進めていきました。
当初、彼は何でもお母さんに頼ることが当たり前になりすぎている様子。
「ママ、暇。何して遊べばいい?」
「ママ、お風呂入った方がいい?」
「ママ、今から寝ても良いかな?」
「ママ、お菓子食べていい?」
「ママ、友達から連絡あったけどどうしたらいいと思う?」
このように自分の考えを持つどころか、お母さんの許可がないと彼は自分自身の考えで動けずに遊びや日常生活でも自分らしさを失っていたのです。
そこで、コーチングを入れて、次のような話をしました。
・自分で出来ることは自分ですること。
・本当に出来ないことは頼れば良いこと。
・お母さんに全て頼るのではなく、お母さん以外の人を頼る練習をすること。
幼い頃から命令や指示、提案の毎日の中で育てられたら、お母さんを軸とした生活になってしまってもおかしくありません。
この他にも、子ども上位な部分や自己中心な考え方を強く持っていました。
こうなってしまったのは彼だけが悪いわけではありません。
ご両親が共に「息子に嫌われたくない」という強い気持ちが強く、
・厳しく叱ることが出来ない。
・間違ったことを間違っていると教えていない。
・要望を基本的には全て受け入れる。
このような育て方をされてきました。
これが、彼の性格形成のきっかけになってしまったように見受けられます。
これについては復学支援を開始して、親御さんも反省や納得する部分が多くあり、今は改善出来るようにカウンセラーからのアドバイスを素直に受け入れ、子育てを実践されています。
準備期間から復学日までの様子
10ヶ月間という長期の不登校なので、復学準備の期間は1ヶ月ほど設けました。
登校刺激では復学日を決め、カウンセラーが中心となり動いていきます。
親御さんの日々の対応の実践、訪問カウンセラーが主導となり、お子さんに対して遊戯療法を通じたリレーションの構築や直接対話していく中での性格傾向の分析を行いました。
また、学校の先生と連携をとり、目を逸らしていた勉強の再開、生活リズムの改善、コミュニケーション力の向上をメインに準備を進めていきました。
そして2月に入り、いよいよ復学日!
当日は緊張していたものの、大きな問題はなく無事学校へ復学を果たすことができました。
ご家庭にサポートに入ったカウンセラーたちとご両親で10ヶ月ぶりの復学に対する喜びを分かち合いました。
【読めばわかる】母子依存の恐ろしさ!不登校だった中学生の復学事例「まとめ」
復学はできましたが、家庭内での甘えや自立面ではまだまだ課題は残ります。
しかし、一番怖くて乗り越えられなかった復学を果たせたのですから、これから先もきっと様々な課題を乗り越えてくれるはずです。
訪問カウンセリングやコーチング、ここぞという時に発動する父性対応、そして学校との連携や、日々のお母さんの接し方など多くの人が彼をサポートしてくれます。
学年が変わる直前でしたが、無事春休みに入る前に復学を果たせた彼の努力に拍手を送りたいです。
引き続きPLS一同、もう二度と不登校に戻らないように継続登校に向けたフォローを行い、年相応の自立を育めるように親子共にサポートしていきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回のブログでお会いしましょう。
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