ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。
年明けの訪問が始まり、いつものように西へ東へ全国をまわっています。
今回は、昨年書ききれなかった登校刺激の事例について書いていきます。
ご覧ください。
復学支援に入るまでの様子
昨年12月に、中学3年生の不登校中のお子さんのご家庭へ登校刺激を行いました。
こちらのお子さんは約1年間の不登校でした。
支援開始から、電話カウンセリングやLearning Systemでお子さんの性格傾向や家庭の様子、もし訪問カウンセラーが介入したらどのような反応をするか、復学意思は持っているかなど細かく分析していました。
その時点では不登校という状況に対する問題意識がとても低く、「明るい不登校」と呼ばれるものでした。
「エネルギーが溜まるまで見守りましょう」を続けても、家庭で対応しても、おそらく中学生のうちに復学するのは難しいだろうと判断しました。
こちらのご家庭は、PLSの復学支援を受ける前に、別機関やスクールカウンセラーさんから
「本人が動き出すまで待ちましょう」
「たくさん愛情を与えてあげてください。それがエネルギーになります」
「今は甘えさせてあげてください」
「とにかく毎日褒めてあげてください」
というアドバイスをもらっていたそうです。
その結果、不登校前に比べると中学3年生とは思えない甘え方をしたり、子ども上位な態度や発言、言葉遣いが当たり前になったり、気に入らないことがあれば激しく怒るようになったりと1人の王様が出来上がってしまったのです。
登校刺激当日の様子
打ち合わせを何度も重ねて、登校刺激当日をむかえました。
登校刺激の入り方は家庭により異なりますが、中学生以上となると基本的には初対面という形になります。
こちらのご家庭では、私は訪問カウンセラーではなく、コーチングに入りました。
コーチングに来た理由を伝えると、お子さんは「はい」と素直に話を聞く姿勢に入ってくれました。
・不登校中のこの状況をどう考えているのか。
・たった一度の人生なのにこれからどうしようと考えているのか。
・人には話せず一人で抱え込んでいることがあるのか。
・学校に行きづらい理由、行けなくなったきっかけ。
・大前提として戻れるなら戻りたいと思っているのか、もしくは学校には二度と行く気がないのか。
・学校以外の選択肢も頭に入れているのか。
など細かいところまで話を聞きました。
親御さんがこのような質問をしても、おそらく、「うるさい」「…」という反応がかえってくることでしょう。
不登校中のお子さんは、このような話をすることを極度に嫌がります。
しかし、それを話せる状況を作るのがPLSの復学支援の登校刺激であり、コーチングになります。
お子さんから聞けた本音の部分は?
話し始めた最初のほうは、お子さんも緊張していて、取り繕っているようにも見受けられました。
しかし、時間が経つにつれて徐々に涙を流しながら本心で自分のことを話し始めてくれたのです。
「学校には戻りたいけどもう無理。行ける気がしない。怖い」
これがこの子の本心でした。
「もう二度と学校行かない!」
「ずっと家にいる!」
不登校状態の多くのお子さんたちは、親に対して、このような一生引きこもり宣言のような発言をして親の心をえぐるケースが多くあります。
しかし、蓋を開けてみるとほとんどの子が「本当は行きたい」「この状態はダメだと思ってる」このように言ってくれることが大半です。
今回も、お子さんがずっと心の中で抱えていたものを吐き出してくれました。
友達から何度もLINEきてるけど返事が出来てないまま、時間が過ぎて…。
最近はもうLINEも来なくなって。
学校に戻ったらひとりぼっちかもしれない。
今更学校に行っても友達もいないし授業も分からないし体力も無いし無理です。
もう生きてる意味ないって思ってます…。
涙を流して話してくれました。
親御さんからの事前情報では、友達関係は良好だと聞いていました。
このようにして親御さんでも知らない事実が存在するケースは、多いのが現状です。
大袈裟ではなく、このお子さんのように 「本当は学校に行きたい」 と思っていても、でもどうしていいのか分からずに一人で苦しんでいることがよくあるのです。
訪問カウンセラーの導入
泣きながら話してくれたその言葉を直接聞いて、「復学のきっかけと、心から寄り添ってくれる人、細かなサポートがあれば復学できる子だな」と判断して、訪問カウンセラーを導入しました。
1年以上の不登校期間があるので、それなりに時間を取った復学準備も必要になります。
このお子さんにとって、必要なスケジュールを一緒に整えて復学日を決めることができました。
困っていた友達とのLINEの問題は、どのタイミングで既読し、どのタイミングで返事をするか、そしてその言葉なども一緒に考えました。
家の中では王様気分になって、親を困らせ続けてしまった事実は変えられません。
それに関しては「不登校になった途端に親が甘やかしてくれて優しくなった」と話していました。
心が折れそうな時に優しくされたら甘えてしまうのは仕方ありません。
この機会に、親御さんには、度が過ぎた甘やかしや過干渉だったので、お子さんを交えて「これからは中学3年生らしく接してあげてください」と伝えています。
そして、お子さんに対しても「自分で出来ることは自分でするように!」と伝えると、恥ずかしそうに「はい!」と返事してくれました。
【事例】不登校で苦しんでいる中学生のお子さんの家庭への登校刺激「まとめ」
家庭のことだけではなく、1年以上も不登校生活が続いていたので友達関係、勉強面、体力面、メンタル面など様々な課題が彼を待ち構えています。
それらを一緒に乗り越えていくのが訪問カウンセラーの役割です。
訪問カウンセラーだけではなく、家族や友達、学校の先生、皆に支えられながら無事復学を果たせたらと願っています。
彼の復学日は新学期です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のブログでお会いしましょう。
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