【小学生の不登校復学支援の事例】1年半のブランクを乗り越えた男の子

いである先生
株式会社PLS 小学生不登校復学の事例

ブログをご覧の皆様、こんにちは!
いであるです。

新年度が始まり、「復学」を目指して動き始めるご家庭が増えてきました。
今回は、小学5年生の男の子が1年半の不登校を経て復学するまでの支援事例をご紹介します。
お子さんのことでお悩みの方のヒントになれば幸いです。

不登校の背景と支援開始まで

株式会社PLS 不登校の背景と支援開始まで

彼の不登校は小学3年生の2学期から始まりました。
最初は登校渋りや母子登校を経て、4年生では少し安定しましたが、夏休み明けから再び不安定に。
5年生になっても登校できない日々が続いていました。

今年1月、「不登校サポートコース」で支援を開始。
家庭環境や本人の性格を分析し、2月中旬から訪問カウンセラーのサポートがスタートしました。
ゲームが好きな彼にとって、ゲームに詳しいカウンセラーは「楽しいお兄さん」のような存在となり、すぐに信頼関係が築かれていきました。

【大公開】PLSの復学手法!「遊び」のスキルが復学の鍵を握る?
ブログをご覧の皆様こんにちは。いであるです。世の中には様々な分析方法があります。ではPLSはどのような分析方法を使うのか。答えは「遊びをして分析をする」です。今回はPLSの分析方法の一例をご紹介します。

見えてきた本当の理由

株式会社PLS 見えてきた本当の理由

訪問カウンセラーとの信頼関係が築けたことで、次のステップとして「登校刺激」を行いました。
ただ遊ぶだけではなく、コーチングを通じて、本人の気持ちや本音を引き出す重要なプロセスです。

春休み前のタイミングで行った登校刺激では、まず「学校のどこが嫌なのか?」という話から始まりました。
彼は「なんとなく嫌」と繰り返すばかりで、具体的な理由は出てきません。
しかし、少しずつ深掘っていくと、「家で一人で勉強するのは自信がない」「学校以外の場所に通う選択肢は考えたことがない」といった、現実的な不安や迷いが見えてきました。

その中で浮かび上がってきたのが、勉強に対する強い苦手意識でした。
「勉強は苦手じゃない」と強がる彼に、ためしに3年生・4年生レベルの簡単な問題を出してみると、彼の表情がスッと固まりました。
その反応から、「なんとなく学校が嫌」の裏には、“できない自分を見たくない”“できないことを他人に知られたくない”という恐れがあることが伝わってきました。

私は彼にこう問いかけました。

「このまま家にいて、親御さんが心配する日々が続くのも気になるよね。学校がすべてじゃないけど、家でも勉強できていない、他の場所にも行きたくないなら、少しずつ学校に戻る準備をしていくのも一つの方法だと思う。もし魔法が使えて、君が天才になって明日から全部の勉強が分かるとしたら、学校に行こうって思える?」

彼は、しばらく沈黙したあとに「それなら行ける」と答えてくれました。
それは、「学校に行きたいけれど、勉強が怖い」という本心が、ようやく表に出てきた瞬間でした。

親御さんも「勉強はやらなくても大丈夫」「分かってるって言ってるから」と言う彼の言葉を信じて見守ってきましたが、強がりの裏には不安や自信のなさがあったことが、この会話で初めて明らかになったのです。

何に対して悩んでいるのかが分かれば、後はコーチングではなくこれまで関係性を築いてきた訪問カウンセラーの出番です。

【PLSの復学支援の手法!】訪問カウンセリングとコーチングとは?
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不安をほぐしながら進めた復学準備

株式会社PLS 不安をほぐしながら進めた復学準備

勉強に対する不安が、学校に行けない一番の理由だった彼。
そこが明確になったことで、復学に向けた具体的な支援をスタートしました。
本人が「始業式はまだ心の準備ができない。でも4月の2週目くらいなら…」と自分で目標を立てたため、その日を復学日に設定し、カウンセラーと一緒に準備を進めることになりました。

以下のようなサポートを、1か月半ほどかけて丁寧に行いました。
• カウンセラーと一緒に家庭学習をスタート
→ まずは3年生・4年生の復習から。無理のない量で、「できた!」という感覚を大切にしました。
• 学校と連携して授業進度を共有
→ 復学後に無理なく授業に入れるよう、学校側と連携して進めました。
• 学校生活に近い環境を家庭内で再現
→ 毎朝決まった時間に起きて、椅子に座って過ごすなど、“学校モード”を家庭で練習。
• ゲームなどで信頼関係をさらに強化
→ カウンセラーと遊ぶ時間を通して、気持ちのリフレッシュと安心感を育みました。
• 友達との関わりを少しずつ再開
→ 復学後に孤立しないよう、仲の良い友達に遊びに来てもらう機会をつくりました。
• 復学日前日に学校リハーサルを実施
→ 校内の導線、靴箱や座席の位置、黒板の見え方などを事前に確認しておくことで、不安を減らしました。

このように、本人の不安を一つひとつ取り除きながら、ゆっくり着実に準備を進めていきました。

復学当日の様子

株式会社PLS 復学当日の様子

復学当日の朝。
緊張しながらも、お母さんの声かけでしっかり起床し、「行ってきます」と小さくつぶやいて家を出ました。

朝の登校は、これまで寄り添ってきた訪問カウンセラーと一緒に。

この日は4時間授業を受け、下校後は「ただいまー!」と元気に帰宅。
さらに、その後すぐ友達の家に遊びに行くほどのエネルギーを見せてくれました。

翌日からは、登校班にも合流。
事前に班長さんのお宅にご連絡していたこともあり、スムーズに合流できました。

親御さんから届いた言葉

株式会社PLS 親御さんから届いた言葉

復学支援を通して、少しずつ心を開き、家庭内でも弱音を出せるようになった彼。
その変化を、親御さんは何より喜んでくださいました。

「まさか、あの子が自分の気持ちを話してくれる日が来るなんて思いませんでした。勉強が苦手で、それが理由だったなんて…親として全然気づけていなかったことに気づかせてもらいました。もし支援を受けていなかったら、今もただ時間だけが過ぎていたと思います。」

「家族だけでは限界がありました。本人の気持ちを丁寧に引き出してくださった訪問カウンセラーさん、本当に感謝しています。親の言葉では届かなかったことが、外の大人の存在によって伝わる。そんな関わりの大切さを実感しました。」

親御さんの言葉には、ほっとした気持ちと、これまでの葛藤がにじんでいました。

まだ復学して1ヶ月も経っておらず、これからが大切ではありますが、まずは勉強よりも何よりも登校に慣れてもらうことを優先してサポートしていきます。

まとめ【小学生の復学支援は「安心」と「準備」がカギ】

株式会社PLS 【小学生の復学支援は「安心」と「準備」がカギ】

今回ご紹介した男の子のように、「なんとなく行きたくない」「勉強が不安」という気持ちが、不登校の背景に隠れていることは少なくありません。
その本音に気づき、寄り添ってくれる大人がそばにいることで、お子さんは少しずつ安心し、自分の足で前に進む力を取り戻していきます。

復学支援とは、ただ学校に戻すためのものではなく、お子さんが「行ってみようかな」と思えるようになるまでを一緒に歩む過程です。
PLSでは、お子さん一人ひとりの特性やご家庭の状況に応じたサポートを行い、無理のない形での復学を目指しています。

もし、今お子さんの不登校でお悩みでしたら、ご家庭だけで抱え込まずに、一度ご相談ください。
無料相談では、現状を丁寧にお伺いし、最適なサポートの形をご提案させていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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